今年初のブルベ出走は、AJ千葉さん主催のBRM209千葉300房総クラシック。年明けから少しずつリハビリ走してきたとはいえ、最長でも100km/day。ほんとは事前にセンチュリーライド位やっておきたかったのですが……。そんな状態で迎えた出走日。2月上旬に夜22時スタートという、寒中修行のはじまりです。
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【出走まで】
出走前に少しでも寝ておきたいということで、午後早いうちにアクアライン経由で木更津へ。ホテル三日月の日帰り温泉コースでリラックスし、快適な仮眠室で十分な休息をとることができました。ここ、けっこう気に入りましたです。純金風呂、純銀風呂にも入ってゲンかつぎできた気もしますし。袖ヶ浦スタートのときは積極的に活用するとしましょう。しかし、最近はどこへ行ってもご当地ヒーローとかゆるキャラがいるなあ。
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【START袖ケ浦海浜公園】
スタート&ゴール地点の袖ヶ浦海浜公園には受付開始の少し前に到着。装備類の事前仕分けが甘くて、思ったより時間がかかってバイク機材のセットアップ完了。受付も少し順番が下がってしまい、第2ウェーブスタートになりました。Twitterほかで交流のあるちばさん、ぜっとさんと顔合わせしつつ出走時間を待ちます。ちばさんから、今回の後半戦で通る鴨川ゆかりのアニメ・輪廻のラグランジェのお菓子を補給食に頂きました。、昼間のうちに鴨川まで走ってきたらしいです。150kmほど(笑)
今回はナイトスタートということで、灯火類も400以上に準じた装備が要求されています。自分はステム下に定番のCATEYE EL-540×2灯、ハブ軸に新調したGENTOS AX2を装着。電池交換をしたくなかったのと、機材テストも兼ねて単三形乾電池を全てエナジャイザーのリチウム乾電池で統一しました。ヘッドランプのGENTOS DELTA PEAK 233Hにも。リチウム乾電池は非常に軽いため、エネループ×3本と比べて首に掛かる重さが明らかに軽減されました。GENTOS初の専用バイクライトAX2はかなり光量が豊富で、公称200ルーメンですが数値以上の明るさを感じます。また、ワイドな配光は進行方向左右の確認が容易で、スポット的で遠投向きなEL-540との組み合わせでは効果を発揮しそう。あとは、どれだけのランニングタイムがあるか。AX2には定電圧回路がないため、光量も電圧低下に伴うだら下がりが予想されます。とりま、初期状態での明るさは、車検でAJ千葉の方に「明るすぎてやばいから少し光軸下げたほうがいいかも」と指摘されるレベルでした。明るいライト持ってきてますか?と、ブリーフィングで念を押されていたにもかかわらず(笑)
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【〜PC1セブンイレブン市原原田店】
ライト談義をしているうちに第2ウェーブのスタート時間が来ました。ちばさんと並んで車検を受け、スタッフの皆さんのエールに応えながらそろりと出走。車検に時間がかかったのかちばさんがなかなか来ないので、どうせあとで合流できるだろう……と思いつつ巡航体制に入りました。袖ヶ浦の街を出るあたりからなんとなく集団が形成され、やがて成立したなかなかの快速列車に連結して夜道を進みます。このトレインは序盤に登場する林道の登りでも速く、自分の想定ペースを微妙に超えてます。どうしようかと思案してるうちに、後方から更にハイペースな登坂を刻んできた集団に抜かれました。これに同調して加速したトレインから離脱を決意。タイミングよく、同じぐらいのペースで走る小集団を見つけなんとなく合流させてもらいました。PC1まではこのままの組み合わせで進行。この集団の皆さんとは、後半戦までつかず離れずご一緒することが多かったです。道連れができるとブルベは気分的な楽さが増しますね。
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【〜PC2セブンイレブン九十九里小関店】
PC1では短時間の休憩にとどめ、ほどなく到着したちばさんぜっとさんとも少し会話しただけで先を急ぎます。ソロで走り出しましたが、すぐにペースの合う集団が形成され、その中でヒラヒラしながら進みます。22時スタートともなると、走っても走っても真っ暗なまま。郊外や山間を走ることが多いので、風景もさっぱりわからず。今回はほとんどの道が自転車での初走行だったので、次の機会には風景も楽しみたいところ。九十九里浜の海岸線に到達したはずなんだけど、周囲は依然闇の中。海の気配は磯の香りだけだなあ……とかぼやいているうちにPC2到着です。
さて、この区間。夜道が続くと方向感覚が曖昧になって転回地点を見誤るのか、ミスコースしかけたランドヌールに大声出して警告するシーンが多くありました。キューシートをしっかり読むのはもちろんですが、夜道ではGPSサイコンのルートガイドが便利ですね。今回は311km走って、ミスコースは信号のない┤字左折を30m位オーバーランした1回のみでした。逆に、日の高い日中はサイコンの画面が直射光で見にくくなるためGPS頼りは間違いの元。アナログデータとデジタルデータのうまい使い分けが肝要ですね。
余談ながら、区間の中盤で、白と緑が夜目にも鮮やかなデダチャイがすごいスピードで抜いていきました。あ、AJ宇都宮の竜胆さん……と声をかける暇とてないトンデモな相対速度です。前方に赤い線を引いて消えていくテールライトをただ見送るのみ。たしか、8ヶ月ぶりのブルベなのでリハビリかねてゆっくり走ります……って仰ってたよな?などとツッコミながら(笑)
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【〜PC3ミニストップ君津笹店】
PC2も闇の中。竜胆さんの姿を見つけたのでようやくここでご挨拶しつつ、最小限の休みで再出走します。ほどなく前方に大きなテールバッグを着けたランドヌールの姿を発見。ちばさんでした。出走当日の昼間に、本コースの半分くらいをサイクリングしてきたという根っからのロングライダーにして猛者ですが、彼はばりばりのクライマーなので、平坦は退屈で眠い様子。僭越ながら前に出て引こうとしましたが、どこかで仮眠するから先に行って……とのことなので、そのままマイペースで巡航させてもらいました。
しばらくフラットな海岸線が続いたあと、コースは亀山ダムに向けて山側へと進路をとります。いくつかのアップダウンをこなし、再び竜胆さんにぶち抜かれ(笑)つい最近開通したばかりの新筒森トンネルを抜けて走った先が、中盤の山場である三石山へのヒルクライムポイント。そろそろ空も白んできた中の走行です。峠のとりつきで補給食休止してる竜胆さんに追いついたので、自分も少し休みをとりつつ世間話。再びハイペースで登り始めた竜胆さんを見送り、自分は時速5キロ位でのたのた登ります。そういえば、だいぶ登り区間が続いたし、そろそろちばさんが追いついてきてもいいころだな..と思ったまさにその瞬間、後方でタイヤの暴れるバタバタバタッという音が。驚いて振り向いたら、ダンシングで踏み込んでるちばさんが「眠いっすー!もう限界っすー!」とかなんとか叫びつつも、文字通り飛ぶような勢いで抜いていきました。あのー、ここ斜度7パーセントくらいあるんですけど……。全く、自転車乗りの言葉は信用できませんわ。再び単騎に戻って黙々と登った先の山頂にて、新築されたらしい真新しいトイレを発見。若干の軽量化を果たしたところで、ここまで何度もパックを組んだ方々が到着。合流して荒れた下りを進み、無事にPC3へと到着しました。朝焼けの空が綺麗です。
ここで、ハイとローのモードを混ぜながら連続点灯してきたGENTOS AX2のバッテリーインジケータが赤く変わりました。アルカリ乾電池使用時、ハイで連続6時間、ローで連続12時間の実用点灯というカタログデータなので、リチウム乾電池使用を考えるとかなり不満なランニングタイムではあります。AX2はここでオフにしましたが、ゴール後に再点灯したらインジケータは青に戻っていました。ひょっとしたら、定電圧回路のないAX2には、エネループプロあたりの方が相性いいのかも?このへんは今後の実証実験につなげたいと思います。常時ハイで点灯し続けたEL-540はインジケータに変化なし。こちらはハイで連続2時間の公称値に対し、実に4倍、8時間のランニングタイムを稼ぎさらに余裕があります。EL-540はリチウム乾電池との相性抜群ですね。
PC3ミニストップにはイートインコーナーがあり、ここで大休止をとる人が多かった模様。三度竜胆さんにも追いつきました(笑)。大きな山はないかわりに細かなアップダウンが絶え間なく続くこのコースは、まさにクラシックの冠が相応しいプロファイル。夜を徹しての走行で気が張っていたのか、バイクを降りたとたんどっと疲れが襲ってきました。自分も、カレーうどんとからあげで栄養補給・塩分補給です。注意力が散漫になってきており、カレーうどんをジャケットとタイツの上にだばぁとこぼしてしまい、すっかりスパイシーな男になっちゃいましたとさ。とほ。
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【〜PC4セブンイレブン白浜滝口店】
鴨川有料道路で20円を支払い、急な下りをこなした先は鴨川の街。輪廻のラグランジェの聖地なんですが、走っていてそれらしい要素が目に入ってこないのがちょっと残念。ガールズ&パンツァーで盛り上がる大洗との間にある違いに思いを巡らせながら、美しい海岸線を走ります。アップダウンと向かい風が疲れた体にこたえるので、どこかでPC外の休憩をしたくなってきますが、幸いここまでに時間的な余裕を3時間以上確保しています。いくつかの候補ポイントから、千倉の海岸線からちょっと上がったところにある、ポルトメゾンルームスさんをチョイス。
ここは以前グランブルウ・インという名前だったホテル&レストランで、かれこれ10年近く前に訪れたことがあるお店。映画グラン・ブルーのモデルとなった伝説のダイバー、ジャック・マイヨール氏が日本での隠れ宿にしていた場所でもあります。なんでも、オーナー氏のお母様が海女をなさっていたということから、海と人がテーマである同映画の名を冠したホテルを開業したところ、館山に別荘を作ったジャック・マイヨールその人が、グラン・ブルーの名のついたお店に興味を持ってふらりと訪れたという逸話があるそうです。店内にはジャック氏のシグネチャーが飾られており、メニューにも氏のレシピを使ったものがあるなど、ファンにとってはたまらないものがあります。静かな店内でおいしいフレンチトーストとカフェオレのモーニングをいただきつつ、1時間ほどまったりと沈没。
Twitterに頂いていた応援リプライに返信していると、千倉の海岸線で仮眠していたぜっとさんがまさに再出走する動きをタイムラインにて感知。あ、抜かれちゃった(笑)ちなみに、ぜっとさんは同人誌ロングライダース3.0に、誇り高きSR(すべりこみランドヌール)として登場している方。出走したブルベのほとんどで制限時間いっぱいに使いつつもしっかり完走、天候悪化DNFはあってもタイムアウトDNFはないというタフなランドヌールです。ぜっとさんにリプライを飛ばし、自分も後を追うようにPC4に向けて再出発しました。千倉界隈は走って食べて楽しいところなので、いつかフリーのサイクリングの場として再訪したいと思います。
予想以上にタフな印象ながら、ペースは上々に進んだ前半戦。しかし、ブルベの神様は後半にドラマを用意して待っていたのでした……。風雲急を告げる、レポート後半に続く!
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