BRM209千葉200房総クラシック完走レポート(上)より続く
【〜PC5セブンイレブン富津更和店】
PC4に到着すると、ちょうどぜっとさんが出発するところでした。どうせすぐ追いつかれちゃうから先に行きますね〜、と声をかけられますが、こちらもだいぶまったりしてきている状況ゆえフルスピードで追走する元気は残ってません。
ドリンク補充を終えてマイペースで走り始めるとすぐ、前方からすごい勢いでかっとんでくるランドヌールの姿が。ん?PCに忘れ物でもした人かな?と思いましたがとんでもない。これぞBRM210千葉200kmの一番槍でした。は、速い。ブルベで最速を刻む方のペースは想像を絶するものがありますね。このあとしばらくは、対向車線に次から次へと現れる210の人々とエールを交わしながら進みます。このコース演出はナイスです。気分が高揚しますね。
さて、この区間にはいくつかグルメスポットが登場します。木村ピーナッツのソフトクリームやら、道の駅三芳村のビンゴバーガーやら。心惹かれるものはありますが、千倉で貯金をだいぶ使ったのでぐっと我慢。210の方々がハンバーガー列に並ぶ姿に手を振りながら道を急ぎます。ほどなく前方にちらちらと見え隠れしはじめたRESPO反射ベストの背中。ぜっとさんでした。あえて無理には追わずマイペースを刻んでいるうちに、彼が写真撮影休止したところをキャッチアップ。ここから先は2人つるんでの走行となります。適当についたり離れたりしつつ進み、伊予ヶ岳への登りにかかったところで……自分のバイクに思いがけないトラブルが襲いかかりました。
今回のブルベは長距離耐性の再獲得を目的とした実戦リハビリでもあり、特に登りでは無理をしないことを心がけていました。ゆえに、できるだけ軽いギアで、踏み込みも最小限に。ダンシングは休むメソッドを交えるときに限定していましたが、そんな状況下でそろりと立ち上がり右足を下ろした刹那、後輪のあたりから「バギン」という音と鈍い衝撃が伝わってきました。この音が、カンパのチェーンとコグの癖である鳴きととても良く似ていたのと、特に走行感に変化も生まれなかったこともあって気にせず走り続けてしまったわけです。そのまま、オートバイでかっとんでる峠族や年代物のミニで攻めてるご老体を眺めながら人骨山のピークを越え、ダウンヒルを始めたところ、なんだか後輪からチャリン、チャリンという音が聞こえてきます。いやな予感がして停車しバイクを確認すると、後輪フリー側のスポークが1本、交差部から折れてぶらぶらしてました。あちゃ〜……。
落ち着いてホイールの状態をチェックすると、幸いにして致命的な振れは出ていません。EASTON EA50SLは手組ホイールに近い構成であり、スポーク数がそこそこ多かったことも幸いしたのでしょう。応急処置として、折れたスポークを隣のスポークに巻き付け固定。リム側は短い突起で済んでいるので、これはそのままにします。残り約70km、山2つ越えて振れが拡大することを見越し、ブレーキアーチをやや解放方向に調整しました。ここからは後輪の状態をウォッチしつつ、だましだましの走行になります。本来時間を稼げる下りでは、負荷軽減のためスピードを抑える必要が生まれました。うむむ、千倉でグルベに費やした1時間がこんなところで重くのしかかってくるとは。もしピーナツソフトとビンゴバーガーにこだわっていたとしたら、かなり剣呑な状況に追い込まれていたかも。そこは結果オーライでした。
再びぜっとさんの後ろ姿を見失ったわけですが、ほどなくして自分と同じようなスローペースで走るランドヌールと遭遇。聞けば、膝の状態がかなり悪くなっており、痛くて登りで全く踏み込めない状態とか。自分は脚は残っていても機材に不安があるので飛ばしたくない。なんとなくつるみながらご一緒させていただきます。最終区間にはマザー牧場の登りがありますよねえ、あれ厳しいですよねえ、いやですねえ……などと微妙に気の重たい会話をしつつ、ラスボス前の最終PCに到着しました。
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【〜FIN袖ケ浦海浜公園】
PC5にはけっこうな数のランドヌールが屯ってました。いつものブルベの光景です。ちばさんや竜胆さんはとうの昔にゴールへ向かった模様で姿なし。ここで再びぜっとさんと合流。スポークトラブルの状況を告げ、以降は彼の後ろにつかせてもらうことにします。さてさて、ここから目の当たりにする驚くべきSR(すべりこみランドヌール)の真実。区間プロファイルを精査し、楽観的でも悲観的でもない走行ペースをはじきだして冷静沈着に速度設定。実際にそのタイムコントロールぶりに触れ、自分の事前準備なんてこれに比べたらないに等しいなあと感心することしきりでした。この頃、ランドヌ東京のぴかさんが更に後方でタイムアウトと戦っていたわけですが、その状況もツイートから検証推測して「ぴかさん達も計算上間に合います」と診断するぜっとさん。まじ感動しました。
さて、緻密なタイムコントロールも、ラスボスであるマザー牧場への登りをやっつけて初めて成立する話。かなり体力も削られて、機材も不安ななかではありますが、決して登りの得意ではない2人してみちみちと粘り強く登ります。たかが7キロ、されど7キロ。後半登場する10パーセントの連続はこたえましたが、道連れのいる心強さもあってか存外スムーズにピークを迎えることができました。牧場の入り口からは、これから向かう袖ヶ浦方面の東京湾が一望できます。こういう眺めは達成感あっていいですね。実際に鹿野山の最高地点はその先にある2つめのコブなんですが。市街地に向けた急な下りを、後輪をいたわりながらパス。残るは約30kmの平坦区間のみです。
……あと30kmもあるのかよ(嘆)
途中、ほぼ完走が見えたところでコンビニに小休止。ヘルメットをかぶって、ピカピカの自転車に乗った小さな男の子とそのお母さんがやってくると、こちらを見ながら「ほら○○ちゃん、お兄さんたちも自転車でヘルメットかぶってるのよ、おそろいよ。かっこいいのよ」......ひょっとしたら、ヘルメット恥ずかしいと言っていたのかもしれませんね。男の子がこちらをじっと見たので、手を軽くふったら少し笑ってくれました。これからは気持ちよくヘルメットをかぶってくれるようになるといいな。
なかなか減らない残り区間表示はなるべく見ないことにしつつ、まるで高速道路みたいな16号線区間や細かな右左折を淡々とクリアしていくうちに、いよいよ木更津の港へと到達しました。大型の漁船が並ぶ様は壮観のひとこと。このへんから、数人のランドヌールと合流。パックを組んで世間話を交わしながら最終区間を進みます。袖ヶ浦に入ってからは前に出て走りますが、気分が軽くなったせいかペースが上がっていた模様。ぜっとさんから、「ひょっとして、18時間台に乗せようとかそーゆーこと考えてます?(笑)」とつっこまれましたが、むしろ反対でして。いっそ19時間59分とかを刻んでみたい気分であったことをここに記しておきます(笑)
……ぜっとさんの凄さが伝わる最終区間の平均時速、実に15.1kph(笑)
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【ゴールののち】
前日の晩に出発した袖ヶ浦海浜公園に帰着したのは、ちょうど日没の瞬間。綺麗な夕焼けが、遠くに富士山のシルエットを浮かび上がらせていました。ゴール受付に向かった我々の目に入ってきたのは、真新しいMAKINO MK-01、漫画「ろんぐらいだぁす!」カラーに塗られたデモバイクです。オーナーであるロングライダース編集幹事のいしこうさんのお出迎えを受けつつ、無事にゴール処理と完走認定を受けました。ゴール地点にはAJ千葉スタッフさんたちからの暖かい飲み物、ロールキャベツのスープ、新鮮なイチゴ、そしてたくさんのお菓子が。ありがたく頂戴しつつ、続々と到着する210組のランドヌールも交えて歓談します。後半でご一緒した、膝を痛めた方も無事にゴールイン。マザー牧場坂は押したそうです。よかったよかった。
しかし、日が落ちた後の海岸線は寒い!あまりに寒すぎるので、名残惜しくはありますが機材を車載し帰路につくことに。帰りも170キロほど運転しなくてはいけない(BRM認定距離311km、スタート地点への往復車載340km)ので、前日に休憩したホテル三日月に再び日帰りチェックイン。温泉に浸かって、仮眠室で横になったところから2時間ほどの記憶がありません(笑)帰り道も高速つなぎで、アクアラインから首都高、東北道ルート。蓮田のSAで家系ラーメンを食べて大休止、のんびりまったりと走って帰宅したのは月曜の未明でした。300kmながら400km級の走りごたえがあったBRM209千葉300房総クラシックもこれにて完全終了です。スタッフの皆様、道中お世話になったランドヌール諸氏に感謝しつつ、シャワーも浴びずに倒れて寝てしまいましたとさ^^;
バイク:TNi 7005MK.II
距離: 313.20 km
タイム:19:15:59
平均スピード:16.3 km/h
高度上昇値:2,616 m
カロリー:6,618 C
平均気温:5.4 °C
ラベル:TNi7005
房総クラッシックの300は、思い出深い初ナイトランのコースでした。2007年ですね。ただし、逆回りでしたけど。
月夜の海岸線や三石山での黎明の感動がブルべを続けている原動力になっているのかもしれません。
なんか、120%楽しんでますよね。^^
いやはやどうもです^^
房総クラシック300、逆回りですとかなり印象が変わりそうですね!鴨川の海岸線はナイトライドかな。月が出ているとそれは美しそうです。
ナイトスタートブルベはきついですけど、夜明けの美しさありがたさも強く感じられると思いました。
次走は303宇都宮200日立発となります。414ではご一緒できそう・・?初同時エントリーがかなう日を楽しみにしております!